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犬の貧血を総まとめ|原因・症状・腎不全・加齢まで知っておきたいこと
2026/06/25
治療方針、その他

「最近、愛犬がぐったりしている」「歯茎の色が白っぽい気がする」


そんな変化に、ふと不安を感じたことはありませんか。


犬の貧血は、さまざまな原因によって引き起こされる状態です。初期のうちは症状がわかりにくく、気づかないうちに進行していることもあります。特にシニア犬では、加齢にともなう変化が貧血のリスクを高めることも。


この記事では、犬の貧血の種類・原因・症状から、腎不全との関係、加齢性の貧血、 そして体の根本からケアする東洋医学のアプローチまで、まとめてお伝えします。



犬の貧血とは?まず知っておきたい原因と種類

ひとくちに「貧血」といっても、その背景にはさまざまな原因が隠れています。出血のように原因がはっきりしているものもあれば、体の内側でゆっくりと進行し、気づいたときには貧血が進んでいたというケースも。まずは貧血の基本的なしくみと、犬に多く見られる原因について見ていきましょう。


貧血とは赤血球が減って酸素が届きにくくなる状態

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビンが正常より少なくなった状態のことです。赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を担っており、この量が減ると、体のさまざまな部位に十分な酸素が届かなくなります。

人間の場合、立ちくらみやフラつきが貧血のサインとして知られていますが、犬の場合は症状が出にくいことも多く、血液検査によって初めて発覚することもよくあります。「なんとなく元気がない」と感じたら、一度動物病院に相談してみましょう。


犬の貧血を引き起こす主な原因

犬の貧血の原因は、大きく3つに分けられます。

産生低下:骨髄での赤血球の生成が減ることで起こる貧血

破壊(溶血):免疫の異常などにより、赤血球が壊されてしまう状態

喪失(出血):外傷や体内出血などにより、血液が失われることで起こる貧血


このうちどれが原因かによって、必要な検査や治療の方向性も大きく変わってきます。気になる症状があれば、自己判断せず動物病院で原因を確認することが大切です。


なお、溶血性貧血については別記事でくわしく解説しています。


犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)は春に増えやすい?体への負担が少ない治療の選択肢|漢方治療専門動物病院|ハルペッツクリニック神戸


腎不全から貧血につながるしくみとは

犬の貧血の原因として、見落とされがちなのが「腎不全」との関係です。慢性腎不全が進行すると、腎臓の機能が低下し、2つのタイプの貧血が起こりやすくなります。

ひとつは「鉄欠乏性貧血」。鉄分が不足することで赤血球が十分につくられなくなる状態で、鉄分を補うサプリメントなどを用いて対処します。


もうひとつは「腎性貧血」。腎臓は造血ホルモン(エリスロポエチン)を分泌する役割も担っており、腎機能が落ちるとホルモンの分泌量が減り、骨髄での赤血球の生成が低下してしまいます。この場合はホルモン剤の注射による治療が行われます。


腎不全は初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づいたときにはかなり進行していることもあります。だからこそ、定期的な血液検査による早期発見が欠かせません。


犬の貧血で見られる症状|加齢による貧血にも注意しよう

貧血は外からわかりにくい一方で、日々の様子をよく見ていると気づけるサインもあります。「いつもと少し違うかも」という小さな変化が、実は体からのサインであることも。特にシニア犬の場合は、加齢による変化と病気のサインが重なって見えるため、見過ごされやすい傾向があります。ここでは日常で気づきたい変化と、加齢にともなって起こりやすい貧血について解説します。


参考文献:犬の貧血 症状や治療法を予防策とともに解説


初期~重症まで、日常で気づきたい貧血のサイン

血流が悪くなると、口の粘膜や舌の色が白っぽくなることがあります。また、貧血を引き起こしている体の状態では、ぐったりしている、寝てばかりいる、すぐ疲れるといった様子が見られやすくなります。必ずしも貧血だけが原因とは限りませんが、こうした変化が続く場合は早めに受診しましょう。貧血が進むと、息切れや呼吸困難、食欲の低下、体の震えなど、より深刻なサインが現れることもあります。


シニア犬に多い加齢性の貧血とは

年齢を重ねたシニア犬は、若い犬に比べて貧血になりやすい傾向があります。加齢にともない骨髄の造血機能が少しずつ低下し、慢性的な炎症や持病が重なることで、貧血が起きやすくなるためです。また、腎不全や甲状腺の疾患などが貧血の引き金になるケースも見られます。

「なんとなく元気がなくなった」「散歩を嫌がるようになった」といった変化は、 加齢のせいと見過ごされやすいですが、貧血が隠れている場合も。シニア期に入ったら、定期的な健康診断と血液検査を習慣にすることが、早期発見につながります。


東洋医学で犬の貧血ケアを|体の根本から整えるという考え方

貧血の治療というと西洋医学のイメージが強いかもしれませんが、体への負担を考えたとき、東洋医学的なアプローチが助けになることもあります。特に長期にわたるケアが必要な場合や、高齢で体力が落ちている子の場合、体にやさしい方法を選びたいと考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。ここでは当院が大切にしている考え方をご紹介します。


西洋医学の治療が体の負担になることも

西洋医学では、貧血の原因に対してサプリメントや注射・薬剤投与などで対処します。症状を抑えるうえでは有効な手段ですが、長期にわたる投薬が体に負担をかけることもあります。特に高齢犬や体力が落ちている子にとっては、治療そのものがつらくなってしまうケースも。そのような場合に、体の根本から整えていく東洋医学のアプローチが選択肢のひとつとなります。


漢方薬で原因そのものに働きかける

東洋医学の貧血ケアでは、貧血を引き起こしている原因そのものに働きかけることを大切にしています。同じ「貧血」という状態でも、背景にある原因はそれぞれ異なるためです。

たとえば腎臓が弱っている場合は腎臓をサポートする処方を、溶血性貧血であれば乱れた炎症や免疫を整える処方を、再生不良性貧血にも免疫(骨髄の働き)を整えることで改善を促すアプローチを取ります。原因が違えば、同じ「貧血」でも選ばれる処方はまったく異なってきます。

体の表面に見える症状だけでなく、内側の状態を丁寧に見ながらその子に合った処方を行う。それが東洋医学の特徴です。


高齢犬にもやさしいアプローチとして

漢方薬は体への負担が比較的少ないだけではなく、体の弱い部分を助ける治療なので体調を改善する働きもあります。また症状を抑える西洋医学の治療と組み合わせて使うことも可能です。加齢による体力の低下が気になるシニア犬や、長期的なケアを考えたい場合に、東洋医学は特に相性のよいアプローチといえます。

高齢になると、内臓の機能が少しずつ低下し、若い頃と同じ治療では体に負担がかかりやすくなります。そのため、シニア犬のケアでは「治療の強さ」だけでなく、「その子の体力に合っているかどうか」という視点も大切になります。漢方薬は体質や状態に合わせて処方を調整しやすく、無理なく続けられる点も特徴のひとつです。


犬の貧血に関してよくある質問


Q1. 貧血と診断されました。自宅でできることはありますか?

A1.動物病院での治療を続けながら、日常生活でのサポートも大切です。鉄剤のサプリメントや、鉄分を多く含む食材(レバーや赤身肉など)を食事に取り入れることで、改善を促せる可能性があります。ただし、食材の種類や量については担当 of 獣医師にご相談のうえ、取り入れるようにしましょう。


Q2. シニア犬になり、元気がなくなってきた気がします。貧血の可能性はありますか?

A2.加齢にともなう変化と思い込みやすいですが、貧血が隠れている可能性もあります。確認するためには血液検査が最も確実です。気になる変化があれば、早めに動物病院に相談されることをおすすめします。


Q3. 漢方薬は犬の貧血ケアに効果がありますか?

A3.はい。東洋医学では、貧血の原因の根本を考えて、漢方薬で治療します。腎臓が弱っていることが原因の貧血には、腎臓をサポートする処方、免疫が乱れていることが原因の場合は免疫を整える治療を行います。貧血の背景にある体調を整えたい場合に、漢方薬治療はオススメです。


まとめ|早めの気づきと体にやさしいケアで愛犬の貧血と向き合おう

「いつもとなんだか違う…」――そんな小さな違和感に、誰よりも早く気づけるのは、そばで毎日を共に過ごしている飼い主さんです。貧血は症状がわかりにくいからこそ、その気づきが愛犬を守る大きな一歩になります

加齢や持病が重なるシニア期は、不安になることも増えるかもしれません。それでも、原因に合わせて無理のない方法を選びながら、その子のペースに寄り添っていくことはできます。

頑張りすぎず、できることから少しずつ。愛犬との穏やかな時間を、これからも大切にしていってください。


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