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猫の腎臓病を予防して元気に過ごす時間を保とう!東洋医学でできること
2025/12/15
腎臓や肝臓などの内臓疾患

腎臓病は、猫の大きな悩みのひとつです。 「気づいたときには病気が進んでいる…」というケースも珍しくなく、若いころからのケアがとても大切です。

猫の腎臓病と聞くと不安になりますが、普段の生活で体の整え方を意識することで、予防できる可能性が高まります。

この記事では、東洋医学の視点で考える腎の働きや、漢方でできる体のサポートについても解説します。愛猫にできるケアを知り、安心して猫との生活を楽しめるようにしましょう。


猫はなぜ腎臓病にかかりやすい?予防が大切な理由とは


はなぜ他のペットと比べて腎臓病にかかりやすいのでしょうか。猫の腎臓病を予防するために、原因や病気の経過を知っておきましょう。


猫が腎臓病になりやすい理由

西洋医学的には、猫の腎臓病は以下のような特徴があるといわれています。

・猫は元々砂漠で暮らしていた名残から水分摂取が少ない

濃い尿を出す体質で腎臓に負担がかかりやすい

加齢とともに腎機能が自然に低下し、10歳を過ぎると発症率が上昇する

一方で東洋医学の視点では、猫は陰の動物、腎は陽の臓器と考えます。陽が弱い体質の猫は腎が弱りやすく、老化=腎の弱り(腎虚)につながるのです。

腎は生命力でもあるので、猫は犬より長生きできる分、腎が弱っていく期間も長く、結果的に腎臓病が多くなると考えられています。


腎臓病の経過や症状

腎臓病は初期にはほぼ症状がありません。そのため、発見したときにはすでに進行している場合が多いです。進んでくると、以下のような症状が現れます。

・尿が薄くなる

・食欲不振

・脱水

・体重減少

毛艶が悪くなる

さらに進むと尿毒症により、

・吐き気

・けいれん

・意識低下

を起こすこともあります。

しかし、早期からケアを行うことで、腎臓病を予防しながら元気に過ごせる可能性が高まります。


腎臓を守るメリット

腎臓病は早期発見だけではなく、悪化させない体づくりがポイントです。腎臓を守るメリットは、3つあります。

①食欲・毛艶など、その子らしさを保つサポートができる

②重症化による点滴や入院などの負担を減らせる

③早めに体の状態を整えることで、腎機能の維持が期待できる

「病気になってからでは遅いのでは?」と不安な飼い主さんも、 日々のケアで猫の腎臓病を予防できる可能性があるので、安心してくださいね。

東洋医学の「腎」の意味から猫の腎臓病を予防する方法を解説


猫の腎臓病を予防したいけれど、西洋医学よりも自然の力も借りて予防したいという飼い主さんが増えてきました。予防する選択肢を増やすために、東洋医学の視点を知っておきましょう。


東洋医学でいう「腎」とは

東洋医学では、「腎=生命力」です。腎はただ尿を作る臓器だけを表すのではなく、猫の若々しさや活力そのものを支える存在で、以下のような働きに関わります。

・成長・免疫・代謝

・毛艶や元気

・活力ややる気

腎が弱る(腎虚)と、次のような変化もみられます。

・冷え

・脱毛

・疲れやすい

・無気力

特に冬は腎が冷えやすく血流が滞りやすいため、冷え込みによって急激に腎不全が進んでしまうケースも少なくありません。冷えの概念がない西洋医学だけでは対応が遅れてしまうので、季節的なケアが重要です。

漢方薬は腎臓を助ける

漢方薬には、体のバランスを整える働きを助ける役割があります。西洋医学のように見えている症状・不調への対処ではなく、以下のように体質を改善できる可能性があるのです。

・血流を整える

・冷えを緩める

・腎の働きを支える

腎が弱っている子は、それを助ける漢方薬を飲むと、毛艶・食欲・元気といった部分が改善する子が多いです。個体差はみられるものの、点滴をしなくても体調が整ってくる例もあります。


西洋医学の注意点

腎臓病になってから一般の病院にかかると、症状を抑える薬はあっても腎自体を助ける治療は行われにくいでしょう。東洋医学では、腎の働きそのものを支えるため、腎臓病になる前も、なってからもサポートができる可能性が高いです。

また、点滴が効きにくい子は腎が弱っていて冷えが強く、点滴の水が代謝できないかもしれません。その場合は、漢方薬を併用することで点滴の水の循環を助け、相乗的に改善させられることもあります。

 

猫の腎臓病を予防するには|飼い主さんができる日常生活の工夫


猫の腎臓病を予防するには、漢方薬という選択肢があります。そのほかにも、飼い主さんができることがあります。日常生活で工夫できることを知っておくと、猫がストレスなく過ごせる環境を整えられるでしょう。


寒い時期は「冷え」に注意

冬は腎が弱りやすい季節です。特に冷えは腎の働きを落としやすく、血流の巡りも悪くなりがちです。そのため、普段より少し意識して体を温めてあげることが大切です。

冷えを防ぐためには、寝床を温かい場所に設置するのがポイント。床に直接寝ていると底冷えが伝わりやすいので、マットや毛布を敷いてあげましょう。

体が温まり、血流が整うと腎の負担が減り、猫が心地よく過ごせます。冬は特に冷やさない環境づくりが大切です。


水を飲ませる工夫

腎臓の負担を減らすためには、普段から十分な水分を摂らせてあげることが大切です。飲みやすい環境を整えると、水分補給が自然と増えていきます。

例えば、お部屋の複数の場所に水飲み場を置いて、「気づいたときに飲む」機会を増やす方法。水はこまめに取り替え、いつでも新鮮な状態にしておくと飲みやすくなります。また、流れる水を好む猫には循環式ウォーターボウルを使うと、自然と水分補給量が増えるでしょう。


ストレスを溜めないようにする

ストレスは体全体に負担をかけるだけでなく、腎の働きを弱めてしまうことがあります。日常の環境をできるだけ安定させ、安心して過ごせる空間を作ってあげることが大切です。

引っ越しや家具の配置替えなど、大きな環境変化はできれば避けたいところです。もし変化がある場合でも、いつも使っている寝床をそのまま使うなど、安心できる自分の場所をキープしてあげると良いでしょう。

また、隠れられるスペースやゆったり遊べる空間があると、猫はストレスを抱えにくくなります。日々の安心感が、腎の負担を軽くするサポートにつながります。

猫の腎臓病の予防についてよくある質問

Q1. 猫の腎臓病は、症状がなくても予防のために何か始めたほうがいいのでしょうか?

A. はい、症状が出る前からのケアがとても大切です。 猫の腎臓病は、初期にはほとんど症状が出ないまま進行することが多い病気です。そのため「元気そうだから大丈夫」と思っていても、腎の働きは少しずつ弱っている可能性があります。

若いうちから、冷えを防ぐ・水分をしっかり摂れる環境を整える・ストレスを減らすといった日常ケアを行うことで、腎臓への負担を軽くし、将来の腎臓病予防につながります。

Q2. 漢方薬は、猫の腎臓病を予防する目的でも使えるのですか?

A. 体質や状態に合わせて、予防的なサポートとして使える場合があります。
漢方薬は、症状が出てから対処するだけでなく、体のバランスを整えて腎の働きをサポートする目的で使われることもあります。

Q3. 腎臓病予防のために、飼い主が毎日の生活で一番気をつけたいことは何ですか?

A. 「冷え・水分・ストレス」の3つを意識することがポイントです。
腎臓は冷えに弱く、水分不足やストレスの影響も受けやすい臓器です。
・冬場は寝床の冷え対策をする
・複数の水飲み場を用意して自然に水を飲める環境を作る
・生活リズムや環境をできるだけ安定させる

こうした小さな積み重ねが、猫の腎臓病予防につながり、「ちゃんとケアできている」という飼い主さんの安心感にもつながります。

まとめ|猫の腎臓病を予防して元気と若さを保てるようにしよう


猫の腎臓病を予防する方法について、東洋医学の視点や漢方という選択肢をご紹介しました。東洋医学の視点でみると、腎臓は生命力そのもの。猫は体質の特徴から、腎が弱くなりやすいため、体の根本原因を整えたり、日常生活の工夫が必要です。


漢方薬は、体のバランスを整える働きがあり、もともと冷えやすい子や季節によって体調が変わりやすい子の体を根本から支えられる可能性があります。日常生活では、冷え対策や水分補給の工夫を行うと、猫がより元気に過ごせるようになるでしょう。


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