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- 新型コロナの重症化と免疫疾患における共通点
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- 2020/05/03
- 治療方針、その他
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コロナで重症化を避けるために
新型コロナ(COVID-19)の重症化要因として、免疫の暴走と言われる過剰な免疫反応(サイトカインストーム)を引き起こしていることがわかってきています。
2020/05/04産経新聞より
「免疫暴走で肺炎重篤化か 新型コロナ、全身臓器に侵入 研究で判明」
つまり、全身性の免疫疾患のエリテマトーデスのように、(IL6の過剰生産によって)全身に炎症を起こしてしまい、CRPが上昇している状態とまさに同じ状態です。
現に治療薬として期待されているトリシズマブ(アクテムラ)はリウマチに使われる免疫抑制剤です。しかし免疫抑制剤は免疫を下げてしまい、逆にウィルスや他の感染症に負けやすくなる可能性もあるので、重症化したときの最後の手段としてしか使うことができないようです。ウイルス感染で重症化しているときに免疫を下げるわけですから、状況によって効果も分かれるようです。
サイトカインストームの原因はもちろんCOVID-19ですが、重症化する人としない人がいるように、COVID-19だけが原因ではなく体の免疫力や状態が大きく左右され、それはちょうど免疫疾患に罹る人、罹らない人がいるのと同じです。
だから感染発症しないためにも、重症化しないためにも我々の免疫疾患における漢方薬治療と同じように、免疫の暴走が起こらないような免疫と体の状態をしっかり整えてあげることが1番大切だと我々は考えてます。それはもちろん、一部感染が報告されている動物たちにとってもです。
ブログ;エリテマトーデスの症例かんちゃん
プリンスちゃん
【日本医事新報社】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する漢方の役割(渡辺賢治ほか)