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体の9割が細菌 抗生物質の弊害
2021/05/14
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だらだら抗生物質つづけてませんか?

私達の体には腸の中だけで100兆も細菌が存在しています。
これらの細菌はお腹に入ってくる食べ物や腸からの分泌物、免疫作用など腸内環境に適応しながら、腸内細菌叢という生態系を作り、宿主である体と相互作用、相互依存して共生しています。
肝臓の重さとほぼ同じ1.5kg、細胞の数だけでいうと体の10倍もの細菌が住んでいるわけなので、体に対する影響力はとても大きいです。(ちなみに便の内容物の約3/4が腸内細菌およびその死骸です。)

これらの細菌はただ腸に入ってきた食べ物を分解し、必須栄養素の吸収を助けてくれるだけでなく、
宿主の免疫を調整したり、脳内物質を作ってメンタルの調整もしてくれており、
宿主である私達の心や体調にとても大きく関わることになります。

特に現代病であるアレルギー、自己免疫疾患、消化器トラブル、心の病気そして肥満など問題は、これらの共生細菌のアンバランスが一因と考えられ、
西洋式の生活や医療、環境衛生の広がりとともに増えたこれらの問題は、抗生物質や抗菌物質の乱用、食生活では食物繊維の不足がその一因として考えられています。

特に、免疫組織の6割が腸内に集中しており、腸内環境のバランスが、免疫の成長や炎症のコントロールに深く関わっています。
抗生物質による副作用で一般的によく心配されるのは、下痢や嘔吐などの消化器症状ですが、
それ以上に、感染症にかかりやすくなったりやアレルギーなど炎症の悪化を招くことが大きな問題になる可能性が示されています。

ある研究では、乳幼児の抗生物質投与とその後のアレルギーの発症に強い相関関係がみられ、
別の研究でも2歳までに抗生物質を与えられた場合、喘息を発症する率は2倍近く高く、また抗生物質の治療回数が多いほど喘息や皮膚炎、花粉症を発症しやすかったこともわかりました。
他にも抗生物質とアレルギーはさまざまな研究で関連が指摘されています。

また、腸炎や肝炎で獣医療でもよく使われるメトロニダゾールは、腸内細菌叢のバランスを乱すことで、間接的に腸を保護する粘膜層を薄くしてしまい、微生物やその化学物質が血管に入る要因になることがわかっています。その結果、血液に入った物質に免疫が過剰に反応し、それがさらなる炎症や深刻な病気の引き金にもなり得るなど、メトロニダゾールに限らず抗生物質には様々な弊害が引き起こす可能性もわかってきています。

細菌感染が原因の病気ならばその細菌に対する抗生物質は必要ですが、そうでない場合、あまり効果が見られないのにダラダラと続けている抗生物質は、免疫を乱し、むしろ傷口に塩を塗ることになるのです。
また耐性菌もとても大きく根深い問題です。

これだけ細菌叢は重要な働きを担っているので、生物は良質な細菌叢を次世代に引き継いだり、外部から取り入れる仕組みをたくさん持ちます。
生まれる赤ちゃんが一番に接する、産道や母乳にはミルクの消化や免疫の発育に必要な細菌が免疫細胞によって運ばれる仕組みがあります。
また、動物では自分の便を食べたり、子供に食べさせる行動は、特に草食動物ではよく見られ、
草食動物以外でもお腹が調子が悪いときに、その環境に適応している他の個体の便を食べる行動がよく見られます。

健全な体調やお腹を取り戻すには、健全な腸内細菌を取り戻すことが必要で、その手段として最も手っ取り早いのが他人の腸内細菌を取り入れること、つまり他の個体の糞を取り入れることなのです。
人でも、西洋治療では治療が難しい難治性の下痢に、糞便移植がとても功を奏しているそうです。

犬もやはり食糞をしたり、道に落ちている糞を舐めたり、食べようとしますね。
また草や土を舐めることや、草の上をごろごろ転がることも常在菌を取り入れる意味合いがあるのかもしれません。
そういう子は、もしかしたらお腹の調子や体調が悪く、他人の腸内細菌を取り入れることで体調を治そうとのかもしれませんね。

免疫疾患など大きな病気になってしまった場合は、腸内環境の改善では間に合わないので、漢方薬も使いながらしっかり免疫と炎症を整えてあげるといいですが、
日頃からはそういう病気にならないように、腸内環境に配慮した食生活や治療が求められます。

参考 「あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた」 (河出文庫) アランナ・コリン  (著), 矢野真千子 (翻訳) 

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