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アポキルのリバウンドが強くでてしまった桔平ちゃん
2021/02/23
皮膚の症状


まだ3歳で若い豆柴の桔平ちゃんはアレルギー性皮膚炎で使っていたアポキルを減薬するために漢方薬治療をしています。

以前も書いたように、アポキルのリバウンドはきついことが多いです。
ステロイドに限らず、痒みや炎症を抑える薬のリバウンドは痒みのぶり返しだけでなく、炎症をともなうことが多いので、
引き起こされる炎症の場所によって様々な症状が表れます(皮膚炎の治療だからといって皮膚だけに炎症のぶり返しがおこるわけではないです)。

桔平ちゃんの場合は、アポキルの減薬によって急性白内障を発症してしまいました。
(目の炎症が急性白内障になることがあります。通常急性白内障の場合は、進行性のことが多いですが、アポキルの容量を維持すると進行は止まったことから、アポキルの容量に依存していると思われます。)

なので、そこからはリバウンド(炎症のぶり返し)が怒らないように漢方薬で体質改善を続けながら、慎重に減薬を試みました。ただ、それでも炎症や痒みをぶり返してしまい、次第に逆の目にも白内障がみられるようになってしまいました。
※お腹が赤黒くなるのもリバウンドや慢性炎症の兆候です(写真)。

アポキルは痒み成分を抑えますが、くすぶっている炎症がそのまま隠れていることが、リバウンドが起こりやすい原因かなと思います。症状として現れる痒み以上の炎症が存在することが減薬を試みるうえでとてもやっかいなのです。
なので、体に炎症なく純粋に痒みだけある場合は、アポキルは有効ですし、西洋医が言うように安全ですぐに止められることもあります。

ただ、そういう症例はまれなので、何年もアポキルを減らすことができない子が多いですし、それだけでなく、肥満細胞腫やいろんな免疫性炎症疾患を併発している子も多いようです。それは身体の炎症がくすぶっているからと思います。



桔平ちゃんの場合は、これ以上炎症をぶり返して白内障を進行させるわけにはいかないので、アポキルから(炎症も同時に抑える)ステロイドに切り替えて、少しずつ減薬しています。

ステロイドでも痒みを落ち着いた状態を維持しながら減薬し、今は通常使われる5分の1程度のステロイド量(0.2mg/kg)まで、減薬しましたが、かゆみはもちろん、皮膚やお腹の色もきれいな状態で安定しています。そして、白内障の進行も抑えられています。
ここまで減薬できれば、ステロイドの副作用は漢方薬で充分カバーできるので、
これからも体質改善を続けながらこのままの状態を維持して減薬していく予定です。



ステロイドに限らず、薬には何でもいい面と悪い面が必ずあります。どちらかの面だけ期待して安心するのではなく、悪い面も認めた上で、それをカバーしながら治療してあげることができるといいと思います。


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