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免疫介在性溶血性貧血の治療での難しい選択
2020/10/31
免疫性の炎症


マフィちゃんは、免疫介在性の貧血で漢方薬治療しています。
貧血の治療で難しいところは、一歩選択間違えると直接命に関わることです。
漢方薬治療において、ステロイドをへらす場合は、漢方薬を併用することで止められなかった病状を落ち着かせて、体調を維持しながらステロイドを減薬していくことが多いです。ステロイドは依存性が強いので急にやめるとリバウンドで、急激に悪化することがあるからです。

ただ、免疫介在性溶血性貧血の治療では、多量のステロイドと免疫抑制剤が併用されるので、それらの副作用によって、逆に貧血が進んでしまうことがよくあります。こういう場合は、新しい薬を試すと2〜3日は改善するけど、すぐに悪化していくということを繰り返し、しかも悪化していくスピードがだんだん早くなります。
この場合は、ステロイドを減薬していかなければいないので、リバウンドの危険性もあり、貧血が進んだ状態なので非常に難しい判断になります。

教科書どおりの「標準治療」でそのまま多量のステロイドと免疫抑制剤を飲ませ続けるのは気持ちは楽ですが、そのまま貧血が進んで、(免疫がおかしくなるので)血小板減少性も併発することもあり、こうなってしまうと輸血してもすぐに悪化してしまうので、そのまま亡くなってしまうことが多いです。

だから、その局面であえて、(もちろん漢方薬で免疫をしっかり整えながらですが)ステロイドを減らすという選択をしなければいけないことがあり、そうしてやっと貧血が改善してくれたマフィちゃんです。ある程度(だいたい1mg/kg以下)まで減らすことができれば、副作用は漢方薬でカバーできるくらいになるので、治療に弾みがつきます。
ここからは、リバウンドに注意しながら少しずつ減薬していきます。
減薬の過程で少し悪化したら、減薬を我慢して、免疫が整ってまた改善にむかえば、また少し減らすといった感じです。


イムラン(アザチオプリン)の副作用
免疫抑制剤の副作用


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