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新型コロナウイルス感染症の後遺症と免疫性の炎症
2020/09/03
治療方針、その他
新型コロナウイルスによる後遺症が注目されてきています。
決まった症状はなく、実に様々な症状があらわれるようです。

あるイタリアの研究では、回復から平均2ヶ月の段階で87%の人に何らかの症状があったようです。
症状として最も多かったのは疲労感(53%)で、続いて呼吸困難(43%)、関節痛(27%)、胸痛(22%)が多く報告され、ほかには、せき、嗅覚異常、乾燥症、鼻炎、目の充血、味覚異常、頭痛、たん、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢などが継続していました。症状の数が1つから2つだった人が46人(32%)、3つ以上あった人が79人(55%)で、QOL(生活の質)の低下は63人(44%)に認められました。

これらさまざまな症状の原因はコロナウイルスによるものというよりは、コロナウイルスの感染によってひき起された免疫異常による炎症(自己免疫疾患)が原因と考えられています。

新型コロナ、炎症物質で重症化見極め 米エール大・岩崎教授に聞く 8/24日本経済新聞

また、新型コロナウイルス感染症の重症化にも免疫の暴走が関係していることがわかってきています。

コロナ重症化招く「免疫の暴走」、阪大などが端緒を解明 8/27ヤフーニュース


免疫の暴走によって体のあちこちで炎症をおこすので、炎症が起きる部位によって症状が異なることが、さまざまな症状の原因です。
同じような症状は慢性脳炎やエリテマトーデス、あるいは免疫介在性関節炎といった免疫性炎症疾患でよくみられる症状であり、
それは動物も同じで、最近当院でも相談がとても増えている症状です。
症状が人それぞれ異なるのは、一般的に体の弱いところに炎症が起きやすいからです。

体の炎症の数値を調べることでこれらの症状に対して診断、あるいがメカニズムの解明はできても、
これらの病気に対しては今の医療では副作用で体を蝕まれながら症状を抑え、病気の進行を遅らせることしかできないのが現状です。
動物医療が参考にする人の医学でも、新型コロナウイルス感染症の後遺症や重篤症状で苦しまれている人がたくさんいることから、
これらの免疫性の炎症疾患に対しては、西洋治療では限界があるのは明らかです。

だから、免疫や体が治療でほんとうに壊れてしまうまえに、西洋治療に見切りをつけて、違うアプローチを探す必要があるのです。




血管への後遺症「ドイツでは回復者の6割以上に心臓の異常」【新型コロナ後遺症の正体】 2020/8/23日本経済新聞




「軽症者ほど長引く」は本当か? コロナ後遺症で大量の抜け毛も 2020年8月18日ヤフーニュース


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