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- 血小板減少性の治療(マロンちゃんのケース)
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- 2019/11/30
- 免疫性の炎症
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愛媛から来院されたマロンちゃんは、血小板減少性で漢方薬治療しています。
ある日突然目が内出血し、歩くのも辛かったので、病院にかかったところ、血小板減少性と診断されました。
また、全身の炎症反応(CRP>7)や貧血(Ht33.8%)も見られました。
つまり全身に強い炎症があり、それが赤血球や血小板を含め、いろんな組織に影響を与えている状態と考えられました。
いわば免疫が暴走して炎症を起こしている状態です。これは免疫が強すぎるわけではなく、免疫が弱って炎症反応をしっかり制御できなくなることで、炎症が暴走し、自分の体に対して攻撃してしまっている状態です(自己免疫性疾患)。
西洋医学では、血小板減少性、あるいは免疫介在性溶血性貧血、エリトマトーデスと診断に悩むところですが、
体を治療する漢方薬治療ではシンプルに、異常を起こしている免疫を(異常を起こさないように)整え、炎症の起こりやすい体の状態(体質)を整える治療をします。
いずれにしろ西洋医学では標準的な治療である多量のステロイドで治療しますが、
マロンちゃんはそれにも関わらず、ふたたび目が出血してしまい、当院で漢方薬治療することになりました。
免疫反応を強く抑える治療は、一意的に炎症を抑えてくれることもありますが、長期的にみると悪化することが多いのは、ステロイドなどの免疫抑制作用が免疫異常を助長してしまうからです。
つまり、異常をそのまま、炎症だけを抑えるのではなく、異常を起こしている状態を治すことが大事です。
マロンちゃんの場合、ステロイド始めてすぐに漢方薬治療できたので、ステロイド依存も重くなく、順調にステロイドを減薬することができました。
そして今では無事にステロイドなしでも元気に維持できています。
ステロイド治療が長く、使用量も多い場合(最近こういう病気に対してステロイドの使用量がとても多い傾向にあります)、ただでさえ異常を起こしてる免疫が壊れてしまい、免疫をもとに戻すことが難しくなります。
体のバランスがステロイドに依存しているために、急にステロイドをやめると、隠されていた炎症が一気に全身を襲うことになります(ステロイドのリバウンド)。
どうしても第一選択で、ステロイド治療を徹底的にされてから、漢方薬治療される子も多いのですが、本当は漢方薬治療は早く始めるに越したことはないのです。